耳の痛い意見ほど価値がある。(佐藤一斎『言志四録』晩55)

耳の痛い意見ほど価値がある。(佐藤一斎『言志四録』晩55)

独得の見は私に似たり。
人其のにわかに至るを驚く。
平凡の議は公に似たり。
世其のなれ聞くに安んず。
およそ人の言を聴くには、よろしく虚懐にして之をむかうべし。
いやしくもなれ聞くに安んずるなくば可なり。

(佐藤一斎『言志四録』晩55)

人というのは、どうしても聞きやすい話ばかりを聞いてしまう。耳障りの良い話など。

しかし、人生を大きく変えるような肝心な話は耳が痛いものである。

特に創業社長になる人は、否定的な意見を耳に入れにくい。

例えば、昨日、戦国時代のNHK大河ドラマ『功名が辻』を観ていた。ちょうど織田信長が本能寺の変にて死すところであった。その際、やはり、気になるのは独裁的になり、部下の諫言に耳を傾けなくなってしまったことだ。家来の明智光秀の度重なる重要な助言も聞き入れなくなってしまっていた。

独裁はベンチャーなどの旗揚げ時にはいい。即断即決で動けるため、動きの遅い既存企業より素早く変化を起こすことができる。織田信長の桶狭間の合戦から安土城築城まではまさにこの独裁が功を奏した。

が、ある程度、組織が大きくなってくると、様々な人間関係が絡んでくるため、独裁でいくと反発を招きやすい。いらぬ恨みを買ってしまうこともよくある。最悪の場合は謀反やクーデターが起きることも。特にナンバー2との確執から起きることが多い。

では、独裁的になりやすい創業社長はどうすればいいのか?

佐藤一斎のこの句を読み、常に自分を戒めることである。「耳が痛い意見ほど価値がある」ぐらいにとらえておくとちょうどよい。

また、私のお勧めは、シェークスピアの四大悲劇の一つ『リア王』を時折観ること。耳の痛い意見を聞かない王は一体どのような結末になるのか?経営者は考えさせられる物語だ。こういう話に触れて心理状態をニュートラルに持っていくことが肝要である。

 

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